
スーツの仮縫いって具体的に何するの?
採寸だけでは足りないのかな?
前回の採寸から約3週間。
神戸・六甲アイランドの石田洋服店で注文したスーツが、初めて立体になりました。
今回の目的は、人生初の仮縫いです。
これまでに何度かオーダースーツを作ってきましたが、いずれも採寸の次は完成品の受け取りでした。
仮縫いをはさむ意味を、実際に体験するまでよく分かっていなかったのです。
この記事では、スーツの仮縫いで何を確認するのか、実際の流れと調整内容を初心者の目線で紹介します。
前回の採寸編はこちらです。


仮縫い服は未完成なのに格好よかった


店に入ると、注文したダークネイビーの生地が、スリーピースの形になって待っていました。仮縫いには別の布を使う場合もあると聞いていましたが、今回は本番と同じ生地です。
ジャケットにはしつけ糸が残り、各所の縫い目は調整しやすいよう簡単にほどける状態です。


採寸の際、石田原さんから、小さな生地見本は服に仕立てると明るく見えやすいと教わりました。実物を見ると、たしかにその通りです。
バンチブックでは黒に近く見えた生地が、スーツの形になると上品なダークネイビーに見えます。少し濃すぎるかもしれないと思いながら選びましたが、結果としてちょうどよい色でした。


シャツとブレイシーズ(サスペンダー)を身につけ、パンツ、ベスト、ジャケットの順に着ていきます。鏡の前に立つと、未完成品とは思えないほど全体が整っていました。
私の左肩は右肩より低いそうですが、ジャケットの肩線は水平に見えました。腰裏や首の後ろにも、気になるシワはありませんでした。
人によっては、その場で仮縫い服をばらし、大掛かりな補正を入れる場合もあるそうです。私の場合は大きく直す必要がなく、仮縫いの段階でほぼ完成に近い状態でした。
スーツの仮縫いでは何をするのか


仮縫いは、採寸した寸法が合っているかを確かめるだけの作業ではありません。実際に服を着て、正面、背面、横から全体のバランスやシワを見ます。ジャケットとベスト、パンツの丈に加え、肩まわりの動きやすさも確認しました。
さらに重要なのが、頭の中にある完成イメージを作り手と共有する時間です。採寸の数字だけでは伝わりにくい好みを、鏡に映った実物を見ながら詰めていきます。
必要なら服をばらし、補正を型紙へ戻して組み立て直します。完成前だからこそ、肩まわりなど完成後には直しにくい部分にも手を入れられます。
採寸から完成では伝えきれない部分がある
納品日に初めて全身を見て、イメージとのずれを感じた経験もあります。袖丈やパンツ丈は直せても、肩まわりや全体のバランスは簡単に変えられません。
仮縫いでは、完成前の状態を実際に着て確認できます。体に合っているかだけではなく、自分が思い描いた姿へ近づいているかまで話し合えます。
ビスポークは、着る人と仕立てる人が話し合いながら作る服です。仮縫いを体験して、その意味がようやく腑に落ちました。
大きな補正はなくても細部を詰めていく
大幅な修正はありませんでしたが、パンツとベストの間に隙間ができないよう、ウエスト位置とベストの着丈を微調整することに。ベストのボタン位置も、ジャケットのVゾーンへ収まるよう少し上げてもらいます。
補正内容は、体型や好みによって変わります。
パンツの調整


採寸のときから、パンツの腰位置を高くして脚を長く見せたいと伝えていました。仮縫いの時点で膝には絞りが入り、十分きれいなフォルムです。
正面から見ると、センタークリースがまっすぐ下へ伸びています。横から見ても、サイドラインは地面へ垂直に落ちていました。腰位置の高さも相まって、実際の脚より長く見える気がします。すばらしい仕上がりです。
ただ、裾幅の細いパンツには少し食傷気味だったため、裾だけ少し広げたいとお願いしました。全体のバランスが崩れないか心配でしたが、大きな影響はないそうです。自分の好みはまだ模索中ですが、今回は少し違うバランスに挑戦してみます。
アームホールを絞る


次に確認したのが、アームホールです。アームホールとは、ジャケットの身頃に袖を付ける部分。全体のフィッティングを見たあと、片袖を外して具合を確認しました。
アームホールは、広ければ腕を動かしやすいとは限りません。脇の下側を適度に詰めることで、腕の可動域が広がる場合があります。
今回は脇の下側を0.7cm絞る調整を入れます。ただし、絞りすぎるとかえって窮屈になります。0.7cmというわずかな差を見極めるのも、仮縫いの役割なのでしょう。
見た目では分かりにくい部分ですが、完成後の着心地を左右する大切な調整です。
裏地とボタンを選び完成を待つ


体型とシルエットの確認を終えたあと、裏地とボタンを選びました。裏地はダークブラウン、ボタンは黒の本水牛です。仕事で長く着る一着なので、表地と同じく中庸な組み合わせにしました。
仮縫いで確認した内容は型紙へ反映され、ここから本縫いへ進みます。完成までは約2か月、納品は10月ごろの予定です。近年の暑さを考えると、秋冬用のスーツを受け取るにはちょうどよい時期かもしれません。
仮縫いを終え、体に合った一着へ近づいている実感が生まれました。
店で見せてもらったウールのデニム生地も格好よく、スラックスやセットアップを作りたくなりました。最初の一着が完成する前から、早くも次を考えています。
よくある質問
- 仮縫いでは何を確認しますか?
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実際に仮縫い服を着て、全体のシルエット、丈、シワ、肩まわりの動きやすさを確認します。体型補正だけでなく、パンツの太さなど好みのイメージも作り手と共有します。
- 仮縫いへ行くときは何を持っていけばよいですか?
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完成後に合わせるシャツと靴を持っていくと、袖丈やパンツ丈を確認しやすくなります。ブレイシーズ(サスペンダー)仕様のパンツなら、実際に使うブレイシーズも必要です。
- 仮縫いから完成までどれくらいかかりますか?
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今回の注文では、仮縫いから完成まで約2か月の予定です。仕立て方や店の状況によって変わるため、注文時に確認してください。
まとめ
- 仮縫いでは採寸結果だけでなく、完成イメージまで確認できる
- 完成後には直しにくい肩まわりも、仮縫いなら調整しやすい
- 仮縫い服は未完成ながら、すでに高い完成度だった
- 今回はパンツの裾幅とアームホールの調整が印象に残った
- 完成予定は10月ごろ
仮縫いを終えて、ビスポークが「話しながら作る服」と呼ばれる理由を、ようやく実感できました。
次回の仕上がりが楽しみです。











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