
リーガルは丈夫だけど、なんだか野暮ったい…
ビジネスマンが履く仕事靴でしょ?
実はそうではないんです。
日本のビジネスマンの足元を支え続けてきたREGAL。
その裏に、世界の名だたる高級靴と渡り合うために作られた、2つの高級ラインがあることを知っていますか?
それがリーガルの歴史と誇りを結晶化させた「The MASTER REGAL(マスターリーガル)」


そしてスタイリッシュな色気を追求した「SHETLAND FOX(シェットランドフォックス)」です。


この記事では、この2大ブランドの主力モデルを実際に所有し、3年以上履き込んでいる私が、その違いと魅力を徹底比較します。
この記事を読めば、インポート靴にも負けない、「日本の最高峰」に興味がわいてくるはずです。
【結論】どっちが向いてる?30秒で分かる特徴
どちらのブランドが自分に向いているのか?チェックしてみてください。
マスターリーガルが向いている人
- 冠婚葬祭や勝負商談で使える間違いない一足が欲しい
- 一足を長く、手厚いケアを受けながら履きたい
- 端正でクラシックなデザインが好き
シェットランドフォックスが向いている人
- 足元で「色気」や「洒落感」を出したい
- フィット感や履き心地の良さを追求したい
- スーツだけでなく、ジャケパンスタイルにも合わせたい
大衆靴リーガルの「裏の顔」
多くの人がリーガルに抱く「丈夫な学生靴」や「新入社員が最初に履く靴」というイメージは、あくまで普及価格帯に限った話です。
リーガルコーポレーションには、海外の高級靴に対抗するために作られたハイエンドラインが存在します。
それが、今回ご紹介する「The MASTER REGAL」と「SHETLAND FOX」。
いずれも、10万円クラスのインポート靴顔負けの素材や意匠を5万円~8万円代という価格帯で実現しており、非常にコストパフォーマンスが高いラインです。
The MASTER REGAL(マスターリーガル)とは


その名の通り、リーガルブランドの最高峰に位置するシリーズです。
コンセプトは「正統派(オーセンティック)」。
100年以上にわたるリーガルの歴史で培った技術を惜しみなくつぎ込み、普遍的な美しさを追求しています。


特徴:手厚いアフターケアと「対面販売」


最大の特徴は、その販売方法です。
オンラインショップでの販売はなく、実店舗(REGAL SHOESの一部店舗)での対面販売が基本です。
これは、フィッティングに絶対の自信があるからこそできること。
さらに驚くべきは、「購入後2年間で最大10回のメンテナンスサービス(シューケア)」が付帯すること。
「良い靴を買っても手入れができるか不安」という方にとっては、心強いサービスです。


ラインナップと価格
展開モデルは、
- ストレートチップ
- ウイングチップ
- サドルシューズ
の3型のみ。
この潔いラインナップからも、流行に左右されない「道具としての完成度」への自信が伺えます。
※一部限定モデルの展開もあります。
アッパーにはフランス・デュプイ社の高級カーフを使用しており、キメの細かさは圧巻です。


私が購入した1stロットは約5万円、現在の2ndロットは約6万6千円と値上がりしていますが、実物を見れば価格以上の価値を感じるはずです。


【立ち位置】仕事道具としての「マスターリーガル」
マスターリーガルは、精緻な作りで頑強。
デザインに派手さはなく、あくまでビジネスシーンでの「信頼感」や「品格」を演出するための靴です。
冠婚葬祭や重要な商談など、絶対に外せない場面で履ける間違いない一足。
【2026年2月追記】2ndロットについて


私が購入した当時は約5万円でしたが、現在は2ndロットとなり価格は約6万6千円に改定されています。
アッパーには変わらずデュプイ社のカーフが使われており、作りの細かさも健在です。
お値段以上のクオリティに変わりはありません。


ソール裏のロゴプレートが、1stロットは「ブロック体」でしたが、2ndロットからは「筆記体」に変更されています。これから購入される方は、ここをチェックしてみると面白いかもしれません。
■ 今後の展開について
店員さんに伺ったところ、マスターリーガルは東北の工場で生産されているため、後述する工場閉鎖の影響は受けず、今後も継続して販売されるとのことでした。
SHETLAND FOX(シェットランドフォックス)とは


こちらはリーガルコーポレーションが展開する、もう一つの高級ブランドです。
コンセプトは「ブランドに惑わされない、日本人のための日本の靴ブランド」。
かつて1980年代にデビューし、一度は休止したものの2009年に復活を遂げました。


特徴:日本人の足を研究し尽くしたラスト(木型)
最大の特徴は、日本人の足型を徹底的に研究して生まれた「フィッティング」へのこだわりです。
インポートブランドの靴はカッコいいですが、日本人の足には合わないこともしばしば。
シェットランドフォックスは、イタリア靴のような色気のあるフォルムでありながら、「ツイステッドラスト(捻れた木型)」を採用することで、日本人の足に吸い付くような履き心地を実現しています。


こちらはREGAL SHOESのほか、百貨店やオンラインショップでも購入可能です。
【立ち位置】ファッションアイテムとしての「シェットランドフォックス」
シェットランドフォックスは、軽快でエレガント。
仕事道具であるマスターリーガルと比較すると、「ファッションアイテム」としての側面が強いシリーズです。
曲線的なデザインや絞り込まれた土踏まずなど、足元を美しく見せるための工夫が随所に。
いつものスーツスタイルを少し華やかにしたい、色気を出したい。そんな時に履ける一足です。
【2026年2月追記】製造工場の解散と、公式発表の「裏側」
2026年2月9日、リーガルコーポレーションより、シェットランドフォックスの製造を担ってきた子会社「チヨダシューズ(新潟)」を2月いっぱいで解散すると、正式に発表されました。
公式発表(IR)には、以下のように記されています。
「他の国内生産拠点への移管により、品質・供給体制に支障をきたすことなく、収益改善を図ります」



「なら安心」とはちょっと思い難いですね
実際、直営店のスタッフの方にお話を伺ったところ、「現場レベルでは、シェットランドフォックス自体を廃盤にするという話も聞こえてきている」という、聞き捨てならない情報もありました。
もちろん確定事項ではありませんが、少なくとも現場レベルでは、今後の供給に対して楽観視できない空気が漂っているのは事実です。


靴作りにおいて、工場が変われば、職人も機械も環境も変わります。
たとえ同じ木型を使ったとしても、以前と「完全に同じ履き心地・雰囲気」の靴を作るのは至難の業です。 さらに、シェットランドフォックスは過去にも人気モデルを唐突に廃盤にしてきた歴史があります。
公式の「支障なし」という言葉を信じたいところですが、「新潟工場で作られた、独特のフィッティングの靴」を手に入れるチャンスは、市場在庫限りになる可能性が高いと見ています。
【実物レビュー】愛用品のマスターリーガルとシェットランドフォックス
私が実際に愛用しているモデルをご紹介します。
マスターリーガル「ストレートチップ(01AL)」
私が所有しているのは、ストレートチップの「01AL」。


この無駄のないミニマルなデザインがたまりません。
実はキャップ(つま先)の切り返し部分に段差がなく、ステッチのみで表現されています。
つまり、実質「トウにステッチを入れたプレーントウ」といえます。


アッパーのデュプイカーフは非常にキメが細かく、軽く磨くだけで美しい光沢を放ちます。
ライニング(内側の革)までデュプイ製という贅沢な仕様で、足当たりも非常に滑らかです。


ソールにもこだわりが詰まっています。
縫い糸を隠す「ヒドゥンチャネル」仕上げに、踏まず部分を赤く染めた上にロゴプレートが入っています。


履くのがもったいなくなるほど美しい底面です。
【エイジング】


3年間履き込んでいますが、型崩れは一切ありません。
ワックスを使わず、クリームだけで手入れをしていますが、最初のころより光沢が増した気がします。
普段のスーツスタイルはもちろん、友人の結婚式などでも自信を持って履いていける一足です。


リーガルの店員さんが、ご自身のマスターリーガルを見せてくださいました。


こちらはサドルシューズとウイングチップ。
ストレートチップとはまた異なる、深みのあるエイジングがたまりません。
こちらは別売りの専用シューツリー。(¥15,400)。


ロゴプレートが入っています。透明感のある黒塗りと相まって高級感は抜群。
専用品だけあって、きっちりと履きジワを伸ばしてくれます。


シェットランドフォックス
「ケンジントンⅠ」「ケンジントンⅡ」
シェットランドフォックスの最高峰モデル「ケンジントン」シリーズ。
私は初代の「Ⅰ」を2足と、現行の「Ⅱ」を1足、計3足を所有しています。
ⅠとⅡはアッパーに使用されている革が異なります。


現行モデルである「ケンジントンⅡ」のUチップモデル。
一見すると普通のUチップですが、モカ縫い(甲のU字部分)のステッチが革の内部を通っており、表面に出ていません。
これは「スキンステッチ」と呼ばれる超絶技巧で、最高級靴の代名詞であるエドワード・グリーンの「ドーバー」に倣った仕様です。


細身のフォルムも相まって、カジュアルなUチップでありながらスーツにも合わせられるスタイリッシュさがあります。
ケンジントンⅡのアッパーは「KⅡカーフ」と公証されます。タンナーは不明ですが、透明感のあるいい革です。
ケンジントンⅠのアッパーは、今は亡きイタリアはイルチア社の「ラディカ」というミュージアムカーフを使用。


透明感のあるマーブル模様が色気を醸し出しています。水シミには要注意です。


特筆すべきは製法。
前半分はウェルトを介してアッパーとソールを固定する「グッドイヤーウェルト製法」ですが、土踏まずから後ろ半分は「マッケイ製法」になっています。


これにより、土踏まずやヒールカップ周りを強く絞り込んでおり、ビスポーク靴のようなスマートなフォルムを実現しています。



グッドイヤーの靴と比べて軽く、馴染みやすいです
足なりに沿った、ひねりのきいた木型も特徴的。
吸いつくようなフィッティングを実現しています。


フィッティングについては、店員さん曰く「ⅠとⅡで大きな差はない」とのこと。
実際に履き比べてみても、どちらも土踏まずと踵で足をロックされる感覚は同様です。
ただ、Ⅱの方が指先に少し余裕があり、より多くの人の足に合いやすい設計に進化していると感じます。
ソールはマスターリーガル同様、ヒドゥンチャネル仕上げ。
さらに、土踏まず部分がグイッと盛り上がった「フィドルバック」になっており、ソールの色気が増しています。


特徴的なのが、踵から土踏まずの部分まで大きく伸びた芯材(ヒールカウンター)。
これにより、土踏まずの部分がしっかりと持ち上げられ、軽いのに足をがっちり支えてくれる優れたフィッティングを生み出します。


専用のシューツリーは分割式で、まるでビスポーク靴のようなフィット感です。


隠れた名作「ボートン」


最後に、サイドゴアブーツの「ボートン」をご紹介。
ブーツというとカジュアルな印象ですが、これは非常に細身でドレッシー。
スーツの裾から覗く姿は、短靴とはまた違うエレガントさです。


紐靴よりも脱ぎ履きが容易で、得意先で靴を脱ぐ可能性のある営業マンの強い味方。
木型が細身なので小指が当たるのが玉に瑕です。
(私の足が、小指の出っ張った特殊な形をしているためです)


サイズ感と選び方(私の実例)
ネットで購入を検討されている方のために、私の足のサイズと選び方を紹介します。


- 足長:約25.5cm
- 足幅:普通(E〜2E程度)
- 甲の高さ:普通
【普段履いている靴のサイズ】
- スニーカー(NIKEなど):26.5cm 〜 27.0cm
- ジャランスリワヤ・クロケット&ジョーンズなど:UK 7.0
- 一般的なリーガル:25.0cm
【マスターリーガルとシェットランドフォックスのサイズ感】
- マスターリーガル (01AL):25.0cm
リーガルらしい、ややゆとりのある作り。いつものリーガルと同じサイズでジャストでした。 - シェットランドフォックス (ケンジントンⅡ):25.5cm (UK 7.0)
やや攻めたフィッティングですが、いつも履いている英国靴と同じUK7インチでジャスト。
土踏まずと踵はタイトですが、指先は捨て寸があり快適です。
マスターリーガルは「いつものリーガルサイズ」、シェットランドフォックスは「ハーフサイズアップ(またはインポート靴と同じサイズ)」を目安にすると良いでしょう。
知っておくべき「注意点」と対策


優れた靴ですが、注意点もあります。
購入前に知っておくことで、対策も容易です。
1. ソールの減りが早い
マスターリーガルもシェットランドフォックスも、履き始めからソールの減りが早いと感じるかもしれません。



私は大体10回履いた時点で、つま先の補強修理を行いました
- 対策: 購入直後、または少し履いてから「ヴィンテージスチール(つま先補強)」を付けるのがおすすめです(費用:3,000円〜4,000円程度)。
2. 知名度が低い



その靴かっこいいね!どこのメーカー?



リーガルです!



ふ~ん…
凄さが伝わりにくいのが難点かもしれませんね。
ブランドのロゴでマウントを取りたい人には向かないかもしれませんが、ブランド名ではなく、靴そのものの美しさで自分を表現できる。
これこそが大人の贅沢、かもしれません。
【Q&A】購入前の疑問に回答します
最後に、購入を検討されている方からよくある質問に、オーナー視点でお答えします。
- 結局、どっちが「買って後悔しない」ですか?
-
用途で決めましょう。「冠婚葬祭や仕事での信頼感」を最優先するならマスターリーガル。
「ファッション性やフィッティング」を求めるならシェットランドフォックスです。 - 冠婚葬祭で安全なのはどっち?
-
マスターリーガルの黒ストレートチップ(01AL)が最も無難で確実です。
シェットランドフォックスでも黒のストレートチップなら問題ありませんが、フォルムが少し色気付いているため、厳格な場ではマスターリーガルの方が安心感があります。 - サイズ感の違いは?(普段リーガルを履いています)
-
目安は「マスターリーガル=いつものリーガルサイズ」
「シェットランドフォックス=ハーフサイズアップ(またはインポート靴と同じサイズ)」です。
ただし足型によって相性があるので、最終的には試着を推奨します。 - ソールが減りやすいのは本当?対策はある?
-
体感として、一般的なゴム底の靴より早いです。
気になる場合は購入時や少し履いた後に「トゥスチール(つま先補強)」を入れると寿命を伸ばせます。 - 雨の日は履けますか?
-
レザーソール(革底)については、雨の日は避けるのが無難です。もし降られた場合は、帰宅後にしっかりと水気を取り、乾燥させてからクリームでケアしてください。
シェットランドフォックスには、雨に強いラバーソールのモデルもあります。 - 修理はどこでもできますか?
-
街の修理屋さんでも可能ですが、ケンジントンⅡなどの特殊な製法(グッドイヤー+マッケイ)や、マスターリーガルの純正パーツにこだわるなら、REGAL SHOES店舗や公式リペアサービスに相談するのが最も安全です。
- オンラインで買うのはアリ?
-
シェットランドフォックスは、サイズ交換可能なショップであればアリです。マスターリーガルは実店舗での対面販売が基本ですので、プロのフィッティングを受けて購入することをおすすめします。
まとめ:リーガルの高級ラインは日本の良心
今回は、リーガルが誇る2つの最高峰ブランドを比較しました。
- マスターリーガルは、リーガルの技術の粋を集めた、価格以上の価値がある高級実用品。
- シェットランドフォックスは、日本人の足を知り尽くした、色気と機能性を兼ね備えたファッションアイテム。
どちらも、インポートブランドの高騰が続く今、改めて評価されるべき「日本の良心」です。
「そろそろ、一生付き合えるいい靴が欲しい」
そう思う方は、ぜひ一度、日本の職人が本気で作ったこの靴たちに足を入れてみてください。
その完成度に、きっと驚くはずです。
【2026年2月追記】特にシェットランドフォックスに関しては、生産体制の変更により、現在の仕様で手に入るのは最後になる可能性があります。
もし気になっているモデルがあるなら、後悔のないよう早めの購入を強くおすすめします。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
いい革靴は、服装とマッチすることでさらに風格がアップします。
スーツやジャケパンとマッチする靴の選び方をまとめました。




「6万円はハードルが高い、けど本格革靴に興味はある…」という方におすすめのブランドをご紹介。










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