そろそろ本格的な一足が欲しい。そう考えたとき、多くのビジネスマンが「3万円台」の革靴を視野に入れるのではないでしょうか。しかし、これは決して簡単な買い物ではありません。
昨今の値上げラッシュで、数年前の「予算3万円」という情報では、本当に価値ある一足には出会えなくなりました。だからこそ、この価格帯での靴選びは、「長く使えるか」という視点が不可欠です。
この記事は、単なるブランドのカタログではありません。100足以上の革靴に足を通し、数々の失敗を重ねてきた私が、一つの結論として「この5ブランドなら、3万円台の投資を託せる」と判断した、極めて個人的で、少し偏った視点からの提案です。
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本題の前に、私の大きな失敗談を一つ…
おすすめのブランドの話をする前に、私の恥ずかしい過去の話をさせてください。
革靴にハマりたての頃の私は、情報を鵜呑みにする「タイトフィット信者」でした。「履き込むうちに革は伸び、中底は沈む。だから、最初はタイトな方が良い」という理屈を信じ、どんどんサイズを攻めていきました。
そしてついに、履いても履いても馴染むことのない、ただただ足を痛めつけるだけの靴を買ってしまったのです。数万円が、文字通り水の泡となりました。

この失敗で学んだのは、自分の足の形を正しく知ることの重要性です。私は小指の付け根が出っ張っているため、つま先で固定するタイプの靴とは相性が悪かった。
この経験以来、私は踵や土踏まずでホールドしてくれる木型(ラスト)を探求するようになりました。これは少しマニアックな話ですが、あなたには、私のような遠回りをしてほしくないのです。
私が「3万円台の革靴」を選ぶ、少し偏った基準
前述の失敗も踏まえ、私が今回のブランドを選ぶ上で設けた基準は3つです。
- 基準①:長く履ける「製法」であること 最低条件は、ソール交換が可能な「グッドイヤーウェルト製法」か、それに準ずる製法であること。これは、3万円台の投資を回収するための必須項目です。
- 基準②:「日本人の足に合う」木型であること どんな高級靴も、足に合わなければただの拷問器具です。今回は、比較的日本人の足に合いやすいとされるブランドに絞りました。
- 基準③:試着や購入がしやすい「入手性」 特に最初の一足は、試着なしで買うのは無謀です。店舗数が多く、実際に足を通せる機会があることを重視しました。
【厳選】100足以上履いた私の、偏愛ブランド5選
お待たせしました。ここからは、上記の基準をクリアした5つのブランドを、**「初心者へのおすすめ度」**が高いと私が感じる順にご紹介します。
1. スコッチグレイン|あらゆる点で「優等生」。最初の一足に最適

もしあなたの友人が「最初の一足、何がいい?」と尋ねてきたら、私はまずスコッチグレインを薦めます。日本人の足型を徹底的に研究した木型はフィット感に優れ、グッドイヤーウェルト製法でつくりも実直。おまけにシューキーパーまで付属してくるのだから、初心者にこれほど優しいブランドはありません。
正直に言えば、デザインに面白みはなく、少し地味に感じるかもしれません。しかし、その安心感と信頼性は絶大。まずはここで「本格靴の基準」を知るのは、非常に賢い選択だと思います。
- おすすめモデル: アシュランス、シャインオアレイン
![]() | スコッチグレイン SCOTCH GRAIN パンチドキャップトゥ アシュランス 3536BL(EEE) 価格:39600円 |

![]() | スコッチグレイン SCOTCH GRAIN ストレートチップ シャインオアレインIV 2776BL(E) 価格:39600円 |

2. レイマー|常識を覆す、新時代のコストパフォーマンス

「本当に良い靴を、できるだけ安く手に入れたい」。そんな欲張りな願いを叶えてくれるのが、このレイマーです。他ブランドより一歩安い2万円台から、本格的なグッドイヤーウェルト製法の靴を展開しており、その品質は価格の常識を覆します。木型も日本人の足に馴染みやすい。以前は試着の難しさが最大の弱点でしたが、近年は各地で取り扱いが増え、その弱点も克服しつつあります。今、最も注目すべきブランドの一つです。
- おすすめモデル: JAMES(レイジーマン)
![]() | James セミブローグ レイジーマン ブラック RAYMAR グッドイヤーウェルト ビジネスシューズ 革靴 24.0cm~27.0cm レイマー 内羽根 ラバーソール 黒 紳士靴 価格:39000円 |

3. バーウィック|フィットすれば、最高の相棒になる欧州の伊達男

ヨーロッパらしい、抑制の効いたデザインと高級感。この価格帯でこの雰囲気をまとえるブランドは、バーウィックをおいて他にないでしょう。ラインナップも非常に豊富で、選ぶ楽しさもあります。
ただ、白状すると、私の足には合いませんでした。 デザインは本当に好みだったのですが、何度試着しても、しっくりこなかった。だからこそ、強く言いたいのです。あなたの足にフィットしさえすれば、これほど心強い相棒はない、と。ぜひ、ご自身の足でその価値を判断してみてください。
- おすすめモデル: 定番のストレートチップから、まずは試着を
![]() | Berwick1707 ストレートチップ バーウィック シューズ・靴 レースアップ・ドレスシューズ ブラック ブラウン【送料無料】 価格:37400円 |

4. ジャランスリウァヤ|私が恋した、価格破壊の優等生

少しひいき目が入ることをお許しください。何を隠そう、私が社会人になって初めて自腹で買った本格靴が、このジャランスリウァヤでした。
フランス・デュプイ社の艶やかな革、手間の掛かるハンドソーン製法による柔らかな履き心地。これが3万円台で手に入るという事実に、当時の私は衝撃を受けました。
ネックを挙げるとすれば、中底のコルクが他のブランドより大きく沈み込み、後々フィット感が変化しやすい点。それを差し引いても、この高級感と満足度は唯一無二です。「良い靴を所有する喜び」を、ぜひこのブランドで味わってみてください。
- おすすめモデル: 11120(ストレートチップ / 私も愛用しています)、98651(EDWARD / Uチップ)
![]() | Jalan Sriwijaya ジャラン スリウァヤ シューズ ストレートチップ カーフ レースアップ 98321 ラスト11120 BLACK/ブラック 価格:39600円 |

![]() | ジャランスリウァヤ プレーントゥ ブラック ダイナイトソール JALAN SRIWIJAYA 98651 BLACK CALF 価格:39600円 |

5. リーガル|最も「選び方」が問われる、日本の巨人

リーガルは、おそらく今回の中で最も選び方が難しいブランドです。ネームバリュー、店舗数、品揃えは圧倒的。しかし、その豊富さが逆に仇となることも。大衆靴のイメージが強いですし、安価なモデルは正直、革質やフィット感もそれなりです。

私の意見を言うなら、リーガルで選ぶべきは「両極端」。
普段履きと割り切るなら廉価な「ケンフォード」を選ぶか、あるいは思い切って高級ラインの「シェットランドフォックス」や「マスターリーガル」に手を出すか。これらの高級ラインは、海外のウン十万の靴と比べても遜色ありません。中途半端な価格帯のモデルを選ぶより、その方が結果的に満足度は高いはずです。
- おすすめモデル: 01DRCD(ストレートチップ)
![]() | REGAL リーガル 01DR CD ブラック ストレートチップ 価格:38000円 |

【まとめ】
3万円台の革靴は、長く履き続けることで価値が出る「自己投資」です。そのためには、ソール交換可能な「製法」と、何より「自分の足に合うこと」が絶対条件になります。
今回ご紹介した5つのブランドは、どれも個性的で、素晴らしい魅力を持っています。
この中に、あなたの輝かしいビジネスライフを共にする「最初の一足」がきっと見つかるはず。私の個人的な意見は参考程度に、あなた自身の足で沢山試着して、納得のいく一足を選んでくださいね。
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