【自分語り】僕が2年で革靴を100足買い、ブログを始めた理由

コラム

自分も昔は、スーツのことなんてサッパリ分かりませんでした

こんにちは、「くまラボ」のくまをです。

いつもはスーツの着こなしや革靴の選び方について発信している私ですが、今日は少しだけ、私自身の話をさせてください。

※この記事は、私の個人的なファッション遍歴、いわば「自分語り」です。もしご興味がなければ、他の実用的な記事を読んでいただけるとうれしいです。

でも、もしあなたが、 「スーツの着こなしがよく分からない」 「何から始めたらいいか途方に暮れている」 と悩んでいるなら、きっと共感してもらえるはずです。

この記事を読めば、ファッションで悩むのはあなた一人ではないこと、そして簡単なルールを知るだけで世界が変わることが分かります。

これは、かつての私自身に向けた手紙でもあります。

【第一章】モラトリアムの終わり。僕がスーツ嫌いだった頃

今でこそスーツスタイルが好きでブログまで書いていますが、告白すると、私はもともとスーツが大嫌いでした。 大学生の頃、就職活動のために初めてスーツを買った時のことを今でも覚えています。

「スーツを着ることは、自由な時間の終わりだ」

そんな風に感じて、モラトリアムの終了宣告を突きつけられたような寂しさを感じていました。

「スーツなんて着たくないし、正直面倒だなあ…」

知識もこだわりも全くなく、一人で紳士服専門店へ。 「就活なら黒だろう」という安直な考えで、鞄や靴までセットになったブラックスーツを、店員さんとろくに話もせず流れ作業のように購入しました。

もちろん、サイズ感なんて気にしません。 当時の私は、細身のパンツの裾を長く余らせて履くのが普通だと思っていました(スキニージーンズが流行っていたんです)。 その感覚のまま裾上げをお願いした結果、出来上がったスーツの着こなしは今思えばひどいものでした。

これは決して、お店のせいではありません。

すべては、スーツへの無関心と知識不足だった、私自身の問題だったのです。

【第二章】人生を変えた一足。光らなかった5,000円の革靴

そんなスーツ嫌いの私が入社したのは、体育会系の営業会社でした。 心身ともに疲弊する毎日で、身だしなみに気を使う余裕などありません。

朝8時から終電までひたすらテレアポ……絵にかいたようなブラックでした。

しかし、入社して1年ほどで会社が倒産

新卒早々失業し、時間ができた私は、なぜか転職活動で使う靴を磨いてみようと思い立ちました。ほんの出来心です。

靴磨きなんて生まれて初めてです。 ネットの情報を見ながら、家にあった初心者セットで磨いてみます。 しかし、まったく光りません。

なんでだ!?ネットで見たみたいにピカピカにならないぞ…

それもそのはず。 私が履いていたのは、靴流通センターで買った5,000円ほどの合成皮革の靴。

それを週5日、手入れもせずに履き潰していたのですから、革(のようなもの)はボロボロ。いくらクリームを塗っても、艶が出るどころかゴワゴワの厚塗りになるだけでした。

靴磨きがうまくいかず悩むくまを

「なんでうまくいかないんだ…?」

ネットで見るプロたちは、どんなボロボロの靴でも見事に再生させています。 ただ一つ違ったのは、彼らが手掛けているのが、由緒あるブランドの高級な革靴だったこと。

もしかして、高級な革靴って、今持っているこれとは全然別物なのか?

この疑問が、私の人生を大きく変えることになります。 興味を持ったら徹底的に調べる性格の私は、初心者向けの高級革靴についてリサーチを開始。

そして、私にとって、一つのブランドが希望の光となります。

Jalan Sriwijaya(ジャランスリウァヤ)。

ジャランスリウァヤ
引用:https://www.gmt-tokyo.com/pages/jalansriwijaya

最高級の革を使い、手間のかかる製法で作られているのに、価格は比較的手に取りやすい。その魅力に心を奪われ、私はセレクトショップへと向かいました。

店員さんと話し、何度も試着する中で、私は衝撃の事実を知ります。 今まで自分が履いていた靴は、サイズが大きすぎたということを。 (靴ひもをほどかなくても脱ぎ履きできるサイズを、ジャストサイズだと思い込んでいたのです)

最終的に、プレーントゥ(※爪先になにも飾りのないデザイン)の「EDWARD」というモデルを購入。 今までの靴とは桁の違う値段に、会計では手が震えましたが、その価値は十分にありました。

プレーントウシューズ

こちらの記事でも紹介しています。

本物の革が放つ艶。堅牢な作り。

最初は痛かった足も、履きこむうちに馴染んでいき、驚くほど快適になっていきました。 この一足が、私の世界の扉を開いたのです。

【第三章】「靴は最高なのに…」スーツ探求とサイズの魔法

ジャランスリウァヤの魅力にすっかりハマった私は、すぐにストレートチップも買い足し、転職活動にも成功。

新しい職場で、ピカピカの革靴を履いて仕事をする日々は、本当に充実していました。

しかし、ある時気づいてしまったのです。鏡に映る自分の姿を見て。

あれ……?靴は最高にかっこいいのに、スーツがダサい……

革靴という「本物」を知ったことで、大学生の時に買ったスーツの歪さが、はっきりと分かるようになっていました。

鏡を見てショックを受けるくまを

理由は明白でした。サイズ感が狂っていることです。

とはいえ、転職したてで家族もいる私に、高いスーツに挑戦するお金はありません。 そこで私は、まずはお手頃なスーツで「サイズ感」にこだわってみようと考えました。

スーツ専門店で店員さんとじっくり話し、自分の体を正確に採寸してもらう。 そして、お直しを最大限活用して、徹底的に体にフィットさせる。 たったそれだけのことでした。

出来上がったスーツに袖を通した時、私は再び衝撃を受けます。

値段は今までと同じなのに、見違えるように雰囲気が変わっていたのです。

スーツは、値段じゃない。サイズが全てだ!

この発見が、私をさらなるファッションの沼へと引きずり込んでいくことになります。

【第四章】プロの視点とマニアの熱狂。アパレル店員と100足の革靴

スーツの魅力に目覚めた頃、アパレルショップを営む知人から声をかけられ、私は本業の傍ら、週末だけ店員として働くことになりました。

ドレススタイルを扱うそのお店で、オーナーやファッション好きのお客様と話す時間は、私の知識を飛躍的に高めてくれました。

この時期、私の革靴への熱はピークに達します。 中古やヴィンテージを中心に、2年間で100足以上の革靴を購入しました。

たくさんの革靴
イメージ

もちろん、すべてを手元に置いていたわけではありません。 その行動は、以下のような無限ループでした。

  • Step1:革靴をリサーチして購入(ショップで取り扱っていた中古やヴィンテージがメイン)
  • Step2:自分の足やスタイルに合うか徹底的に試す
  • Step3:合わないと判断したら、すぐに売却して次の購入資金へ
  • Step4:そして、またStep1に戻る…

数えきれない失敗を経て、本当に自分の足に合い、心から気に入ったものだけを残す。 そのプロセスは、まるで研究のようでした。

1万円を切る安価な革靴から、20万円を超える高級品まで。ブランドや国にもこだわらず、とにかく試し続けました。

最終的に、今手元にあるのは12足です。

また、店のオーナーの勧めで、ついにオーダースーツにも挑戦。 既製服をはるかに越えるフィット感に、新たな「沼」の存在を感じました。

このアパレルショップは、残念ながらコロナ禍による不振で閉店してしまいましたが、ここで得た「プロの視点」と「マニアの探究心」は、間違いなく今の私のスタイルの根底を形作っています。

【第五章】僕がブログを書く理由。失敗だらけの自分だから伝えられること

さて、長々と私の昔話にお付き合いいただき、ありがとうございます。 ようやく、この記事の核心にたどり着きました。

アパレルショップがなくなり、ファッションについて誰かと話す機会がなくなってしまったこと。 それが、私がブログを始めた一つの、そして正直な理由です。

「今まで学んだことを、誰かに聞いてほしい」

という、少し身勝手な想いがあったのかもしれません。

でも、それだけではありません。 世の中には、スーツスタイルを指南する素晴らしいブログや書籍がたくさんあります。

ただ、その多くは伝統的なクラシックスタイルを重視しており、かつての私のような初心者には、少し敷居が高いと感じていました。

私自身、まだまだ勉強中の身です。クラシックを語れるほどの専門家ではありません。 だからこそ、私にしか伝えられないことがある、と思いました。

かつての私のように、なんとなく決まりだからスーツを着ている。 そんな人たちに、こう伝えたいのです。

スーツは難しくない!簡単なルールを知るだけで、誰でも格好良くなれるんです!

私が、光らなかった5,000円の革靴という些細なきっかけから、スーツの奥深さに気づけたように。

失敗ばかりしてきた私という個人が発信するからこそ、リアルで、実践的で、等身大の知識をお伝えできるのではないか。

このブログは、そんな想いで運営しています。

まとめ

ここまで読んでいただきありがとうございました。

私の長い自分語りは、これでおしまいです。 物語をまとめると、こうなります。

  • スーツ嫌いの大学生が、サイズの合わないスーツで社会にでた
  • 会社の倒産を機に始めた靴磨きで失敗し、本物の革靴に出会った
  • 「サイズ感」だけでスーツが見違えることに気づいた
  • アパレル店員と革靴100足購入の経験を経て、知識を深めた
  • その経験を、同じ悩みを持つ人に伝えたくて、ブログを始めた

もし、あなたが昔の私と同じように、ビジネススタイルの世界の入り口で迷っているのなら。 このブログが、あなたの「最初の一着」「最初の一足」を見つける手助けになれば、これほど嬉しいことはありません。

さあ、次はあなたの番です。 一緒に、ビジネススタイルの世界を冒険してみませんか?

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