突然の雨でスーツがびしょ濡れになったことはありませんか？私もそんな経験を何度もしてきました。特に大切な商談の日に限って雨が降るという、まるで何かに狙われているような不運に見舞われることもありました。
最初にお断りしておくと、私は決して雨対策の専門家ではありません。むしろ、数々の失敗を重ねて「もうこんな思いはしたくない」という気持ちから、試行錯誤を繰り返してきた一般的なビジネスマンです。そんな私の体験談が、同じような悩みを抱える方の参考になればと思い、この記事を書くことにしました。
完璧な対策法をお伝えできるわけではありませんが、少なくとも私が犯したような致命的な失敗は避けていただけるのではないでしょうか。
目次
私が経験した雨の日の失敗談
重要なプレゼンの日の悲劇
今でも思い出すだけで胃が痛くなるのですが、転職後初の大きなプレゼンテーションがあった日のことです。朝は快晴で、「今日は絶好のプレゼン日和だな」なんて呑気に考えながら、いつものように傘を持たずに家を出ました。
ところが昼過ぎから急に空が暗くなり、まるでバケツをひっくり返したような大雨が降り始めたのです。慌ててコンビニに駆け込み、500円のビニール傘を購入しましたが、強風であっという間に骨が折れてしまいました。結局、スーツの上下がびしょ濡れになって会社に到着。
更衣室でタオルを借りて必死に水気を拭き取りましたが、グレーのスーツに無数の水染みができてしまいました。プレゼンテーション中も相手の視線が気になって、準備していた内容の半分も話せませんでした。
あの時ほど「なぜ傘を持って出なかったのか」と後悔したことはありません。天気予報なんて見る習慣もなかったので、完全に油断していました。
ハンガーの選択を間違えた代償
これも今思い出すと情けない話なのですが、お気に入りのネイビーのスーツを雨で濡らしてしまった時のことです。帰宅後、急いで乾かそうと思い、クリーニング店でもらった細いワイヤーハンガーにジャケットを掛けました。
「とりあえず乾けばいいだろう」くらいの軽い気持ちだったのですが、翌朝見て愕然としました。肩の部分にハンガーの跡がくっきりと残り、まるで肩パッドが内蔵されているような不自然な凹みができていたのです。
そのスーツは新卒で入社した時に奮発して購入した思い出深いもので、当時の私にとっては大変高価な買い物でした。クリーニング店に相談しましたが「これは完全には直らない」と言われ、結局そのスーツはタンスの奥で眠ることになりました。
スーツ用の、肩の太くなっているハンガーを使いましょう
実は、この失敗があってから慌ててスーツ用のハンガーについて調べ始めたのです。今思えば、最初からもう少し勉強しておけばよかったと反省しています。
靴のカビ事件
これは本当に恥ずかしい話なのですが、革底の靴で雨の中を歩いた日のことです。靴の中まで完全に浸水してしまい、帰宅時には靴下まで濡れていました。
疲れ果てていた私は、「明日の朝にでも処理すればいいか」と軽く考えて、そのまま玄関に放置して就寝してしまいました。翌朝起きて玄関を見ると、靴の内部に白いふわふわしたものが一面に生えていたのです。最初は何なのか分からなかったのですが、よく見るとカビでした。
画像は自粛します。白くてまだらの点々でした
正直、その瞬間は「これはもうダメかもしれない」と諦めそうになりました。しかし、その靴も決して安くないものでしたし、何とか復活させようと必死にネットで調べました。M.モウブレイのモールドクリーナーという商品があることを知り、藁にもすがる思いで購入して試してみました。
作業は想像以上に大変で、何度も何度もクリーナーで拭き取る作業を繰り返しました。幸い、現在ではカビの再発もなく普通に使用できていますが、あの時の焦りと後悔は今でも鮮明に覚えています。
雨対策アイテムについて考えてみる
こうした失敗を重ねるうちに、「根本的に雨対策を見直さなければ」と考えるようになりました。ただ、最初は何から手をつけていいのか全く分からず、とりあえずネットで「雨 スーツ 対策」と検索してみることから始めました。
傘について
コンビニ傘の脆さを痛感した私は、まず傘の見直しから始めました。最初は「傘なんてどれも同じでしょう」と思っていたのですが、調べてみると全然違うことが分かりました。
私が現在使用しているのは、22,000円の晴雨兼用傘です。「傘に2万円？」と思われるかもしれませんが、これには理由があります。私は夏の日差しにとても弱く、晴雨兼用の傘を探していたところ、この商品に出会いました。
確かに高価でしたが、「長く使うものだから」と自分に言い聞かせて購入しました。実際に使ってみると、作りがしっかりしているので強風でも壊れませんし、愛着が湧くので大切に扱うようになり、結果として紛失することもなくなりました。
ただし、これは私の場合であって、すべての人に高価な傘をおすすめするわけではありません。重要なのは「お気に入りの傘を持つ」ということだと思います。
レインコートの使い分け
傘だけでは限界があることも、身をもって体験しました。そこで次に考えたのがレインコートです。
春夏用として、ユナイテッドアローズで薄手のスプリングコートを購入しました。セールで12,000円程度でした。これは雨が降らない日でも風よけとして使えるので、持ち運ぶのに抵抗がありません。
秋冬用は古着屋で見つけたアクアスキュータムのトレンチコートです。3万円でしたが、状態が非常に良く、現在でも愛用しています。古着に抵抗がある方もいらっしゃるかもしれませんが、良いものは長持ちしますし、新品を買うより経済的だと思います。
もちろん、新品で購入するのも良い選択だと思います。大切なのは、自分の予算と用途に合ったものを選ぶことです。
靴の選択
カビ事件の反省から、雨の日の靴選びも見直しました。現在はリーガルのラバーソールのサイドゴアブーツを雨の日専用にしています。価格は3万円程度でした。
レザーソールと違って水の浸入を大幅に軽減できますし、滑りにくいので安全性も高いです。見た目もドレッシーなので、ビジネスシーンで違和感がありません。
ただ、靴は足の形や好みによって大きく左右されるので、できれば実際に試着してから購入することをおすすめします。
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濡れてしまった時の対処法
どんなに対策をしても、完全に濡れを防げない場合があります。そんな時にどう対処するかが重要です。
応急処置について
雨が降りそうな日は、カバンにタオルを入れておくようにしています。濡れた時の初期対応が、その後のダメージを大きく左右するからです。
濡れてしまった場合は、まず優しく水気を取ります。強く擦ると生地を傷めてしまう可能性があるので、押さえるようにして水分を吸い取ります。完璧に乾かすことはできませんが、少しでも水分を取り除くことで、後のケアが楽になります。
帰宅後のケア
スーツのケアで最も重要なのは、適切なハンガーを使うことです。細いハンガーでの失敗以来、肩幅のしっかりしたハンガーを使用しています。
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ジャケットはまずポケットの中身をすべて取り出し、形を整えてからハンガーに掛けます。風通しの良い場所に吊るしますが、直射日光は避けるようにしています。
スラックスは逆さに吊るすのがポイントです。重力を利用して形を整えることができます。
靴のケア
カビ事件の教訓から、靴のケアは特に慎重に行っています。
まず靴紐を緩めて通気性を良くし、新聞紙を詰めます。新聞紙は水分を吸収してくれるだけでなく、型崩れも防いでくれます。ただし、濡れた新聞紙をそのまま放置するとカビの原因になるので、こまめに交換する必要があります。
完全に乾いてからクリームで保湿します。濡れている状態でクリームを塗るのは逆効果なので、必ず乾燥を確認してから行います。
もしカビが発生してしまった場合は、前述のモールドクリーナーが効果的です。根気よく清拭作業を行えば、大抵のカビは除去できます。
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雨の日のコーディネートで工夫していること
雨の日でも格好良く見せるために、いくつか工夫している点があります。
素材の選択
100%ウールのスーツは雨に弱いので、雨の日はポリエステル混のスーツを選ぶようにしています。水を弾きやすく、乾きも早いからです。見た目もウールと大きく変わらないので、実用性を重視する方にはおすすめです。
最近では撥水加工を施したスーツも市場に出ているようですが、まだ試したことがありません。
機会があれば一度試してみたいと思っています。
シャツの選択
梅雨の蒸し暑い時期には、リネンのシャツが重宝します。吸水性が高くて乾きが早いので、汗をかいても不快感が少ないです。多少カジュアルな印象になりますが、それがかえって堅すぎない雰囲気を演出してくれることもあります。
バッグの選択
傘で片手がふさがることを考えると、リュックが実用的です。ただし、スーツスタイルに合うドレッシーなデザインを選ぶ必要があります。レザー調の黒いリュックなら、ビジネスシーンでも違和感がないと思います。
避けるべき行動について
私の失敗経験から、絶対に避けるべき行動をお伝えします。
まず、濡れたまま放置するのは最も危険です。カビの発生や型崩れ、色褪せなど、取り返しのつかないダメージを受ける可能性があります。
また、ドライヤーで急激に乾燥させるのも避けるべきです。熱によって繊維が縮んだり、色褪せの原因になったりします。
コンビニ傘に頼り続けるのも、長期的に見ると非効率です。すぐに壊れるので結果的に高コストになりますし、肝心な時に手元にないという状況を招きやすいです。
天気予報をチェックする習慣も大切です。私はスマートフォンに「ウェザーニュース」のアプリを入れて、毎朝確認するようにしています。降水確率が30%以上の場合は、雨対策を実施します。
おすすめ商品について
これまでの経験から、特におすすめできる商品をいくつかご紹介します。
撥水スプレーは、様々な商品を試した結果、コロンブスの「アメダス」が最もコストパフォーマンスに優れていると感じています。大容量でありながら効果も申し分ありません。翌日が雨予報の時に前夜にスプレーし、月1回程度の頻度でかけ直しています。
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肩幅のしっかりしたハンガーは、型崩れを防ぐ必須アイテムです。価格はそこそこしますが、スーツの価格を考えれば決して高い投資ではないと思います。
ただし、これらの商品が万人におすすめできるかというと、そうではありません。使用環境や個人の好みによって最適な選択は変わると思います。あくまで私の体験談として参考にしていただければと思います。
最後に
雨の日のスーツ対策について、私の体験談を中心にお話しさせていただきました。決して専門的な知識があるわけではありませんが、同じような失敗をしないためのヒントになれば幸いです。
重要なのは、事前の準備と濡れた時の迅速な対応だと思います。天気予報をチェックする習慣を身につけ、適切なケア用品を準備しておけば、雨の日でも安心してビジネスシーンに臨むことができます。
最初は小さな投資から始めて、徐々に雨対策を充実させていけば良いのではないでしょうか。完璧を目指す必要はありません。私も今でも試行錯誤を続けています。
皆さんのビジネススタイルが、天候に左右されることなく、常にスマートで洗練されたものになることを願っています。
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